
各務原市で相続した不動産の売却期限は?相続登記と税金の特例を整理

相続した不動産の売却そのものに、法律で決まった期限はありません。ただし、相続登記の義務には期限があり、空き家の3,000万円特別控除などの税金の特例にも「いつまでに売るか」の決まりがあります。まず自分に関係する期限を確かめ、そこから逆算して動きましょう。
各務原市でも、「親の家を相続したまま数年たってしまった」「いつまでに売れば損をしないのか」というご相談をよくいただきます。期限ごとに数え始める日が違うため、わかりにくいのも無理はありません。
この記事では、法務省・国税庁・各務原市などの公式情報をもとに、売却に関わる期限を一つずつ整理します。
この記事でわかること
- 相続した不動産の売却に関わる期限の一覧
- 亡くなった年ごとの、空き家の特例の売却期限
- 期限から逆算した動き出しの順番
目次
売却自体に期限はない。確認したいのは周辺の期限
期限があるのは、売却の前後にある手続きや、税金の特例のほうです。売ると決めていない方にも関係するものがあります。
主なものを表にまとめました。すべての方に関係するわけではないので、当てはまるものだけ確認してください。
| 項目 | いつまで |
|---|---|
| 相続放棄 | 自分が相続人になったと知った時から3か月以内 |
| 相続税の申告(必要な方のみ) | 亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内 |
| 相続登記 | 相続で取得したと知った日から3年以内(令和6年4月1日より前の相続は令和9年3月31日まで) |
| 空き家の3,000万円特別控除 | 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る(制度の対象は令和9年12月31日までの売却) |
| 相続財産を売ったときの取得費の特例 | 相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売る |
| 売却後の確定申告 | 売った翌年の2月16日から3月15日まで |
気をつけたいのは、数え始める日がそれぞれ違うことです。亡くなった日から数えるものもあれば、相続で取得したと知った日から数えるものもあります。
なお、相続放棄を考えている場合は、売却の話を進める前に判断が必要です。相続した財産を処分すると、相続を認めたものとして扱われることがあるためです。
参考: 相続の放棄の申述(裁判所)/相続税の申告と納税(国税庁)/土地や建物を売ったときの申告(国税庁)
相続登記は売る前に必要で、義務の期限もある
相続登記とは、亡くなった方の名義になっている不動産を、相続した方の名義に変える手続きです。不動産を売るときは、買主へ名義を移す前に、この登記を済ませておく必要があります。
法務省によると、相続登記は令和6年4月1日から義務になりました。正当な理由なく登記をしない場合は、10万円以下の過料(行政上のペナルティ)の対象になることがあります。
以前の相続は令和9年3月31日までが一つの区切り
義務化の前に相続した不動産も対象です。令和6年4月1日より前に相続を知っていて、まだ登記していない場合の期限は令和9年3月31日です。昔の相続で名義が祖父母のままという場合は、相続人が増えて話し合いに時間がかかることもあります。
また、遺産分割の話し合いで不動産を取得した場合は、話し合いがまとまった日から3年以内に、その内容で登記をします。
相続人申告登記だけでは売却に進めない
話し合いがまとまらないときの簡易な手続きとして「相続人申告登記」があります。期限内に申し出れば、申し出た方の義務は果たしたものとみなされます。
ただし、誰がどれだけ相続したかを示すものではないため、売却するときは改めて相続登記が必要です。売る予定があるなら、遺産の分け方を決めて登記まで進めるほうが近道になります。当社から司法書士をご紹介できるので、売却の相談とあわせてお声がけください。
税金の特例は「亡くなった年」で売却期限が変わる
相続した不動産を売るときに関係しやすいのが、次の2つの特例です。どちらも売却の期限が決まっていて、いつ売るかで使えるかどうかが変わります。
空き家の3,000万円特別控除
亡くなった方が一人で住んでいた古い家(昭和56年5月31日以前の建築など)を相続して売ったときに、利益から最高3,000万円を差し引ける特例です。相続人が3人以上の場合は2,000万円までになります。
売却期限は亡くなった年によって次のように変わります。
| 亡くなった年 | 売却の期限 |
|---|---|
| 令和5年(2023年) | 令和8年(2026年)12月31日 |
| 令和6年(2024年) | 令和9年(2027年)12月31日 |
| 令和7年(2025年)以降 | 現在の制度では令和9年12月31日までの売却が対象 |
たとえば令和5年に親が亡くなり、実家が空き家のままの場合、特例の売却期限は今年の12月31日です。売買契約から引き渡しまでには時間がかかることもあるので、「売った日」をいつと考えるかも含めて、早めの確認が大切です。
このほかにも、耐震基準を満たすか取り壊すことなどの要件があります。詳しくは「あわせて読みたい」の税金の記事をご覧ください。
相続財産を売ったときの取得費の特例
相続税を納めた方が、相続した財産を売るときに、納めた相続税の一部を取得費(売却の利益を計算するときに差し引ける金額)に加えられる特例です。相続税がかからなかった方は対象になりません。
期限は、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までです。なお、空き家の特例とこの特例は併用できません。どちらが合うかは、当社から税理士をご紹介できますので、売却の相談とあわせてお声がけください。
参考: 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(国税庁)/相続財産を譲渡した場合の取得費の特例(国税庁)
売って分けるなら、早めに決めておきたいこと
兄弟姉妹で相続する場合は、家を売ってお金で分ける方法があります。これを「換価分割(かんかぶんかつ)」といいます。家は1つでも、お金なら分けやすいため、よく検討される方法です。
代金の分け方は売る前に決める
売却の利益にかかる税金は、原則として代金を受け取る割合に応じて、それぞれが申告します。国税庁の事例では、売る時点で割合が決まっておらず、確定申告の期限までに代金を分けなかった場合は、法定相続分で申告することになるとされています。
希望と違う割合で税金がかかることを避けるためにも、誰がいくら受け取るのかは売る前に話し合っておきましょう。
話し合いにも10年という区切りがある
遺産分割の話し合い自体に期限はありません。ただし、亡くなってから10年を過ぎると、生前贈与や介護の貢献などを考えた分け方が原則としてできなくなり、法定相続分などで分けることになります。
また、複数の方の共有名義のまま売る場合は、共有者全員の同意が必要です。遠方に住むご家族がいるときは、連絡の取り方も早めに決めておくと進めやすくなります。
参考: 未分割遺産を換価したことによる譲渡所得の申告(国税庁)/遺産分割の期間についての資料(法務省)/民法(e-Gov法令検索)
期限から逆算する、動き出しの順番
売るかどうか決まっていなくても、次の順に確認しておくと、期限を見落としにくくなります。
- 亡くなった日と名義を確認する:亡くなった年月日と、登記の名義が今どうなっているかを確かめます。
- 建てた時期を確認する:昭和56年5月31日以前の建築なら、空き家の特例の対象になる可能性があります。
- 家の価値を知る:査定で価値の目安を知ると、家族で話し合う材料になります。
- 分け方を決めて登記する:誰が相続するか、売って分けるかを決め、相続登記を進めます。
- 売却と申告の日程を組む:特例の期限と引き渡しの時期を見ながら、売り出す時期を決め、翌年の確定申告に備えます。
当社には、査定の段階からご相談いただけます。相続登記がこれからの方や、ご家族の話し合いがこれからの方も、現在の状況をお聞きしたうえで、必要な書類や進め方をご案内します。
売るまでの間も、固定資産税と管理は続く
各務原市の案内によると、死亡した方が1月1日時点で登記上の所有者になっている場合、固定資産税はその時点で実際に所有している方が納めます。相続登記が済むまでは相続人全員の共有となり、連帯して納める形です。
市は、納税の書類を受け取る代表者を決めて資産税課(058-383-4740)へ届け出るよう案内しています。空き家の場合は、売るまでの管理も持ち主の責任です。
参考: 固定資産税・都市計画税についての質問(各務原市)/空家等の適正管理(各務原市)
注意点
- 特例の期限内に売っても、ほかの要件を満たさなければ使えません。
- 期限を過ぎて特例が使えない場合でも、売却そのものはできます。
- 期限に間に合わせることだけを優先せず、売り方や条件もあわせて考えましょう。
どの期限が当てはまるかは、亡くなった時期や遺言の有無、家の状態によって変わります。当社にご相談いただければ、状況を整理したうえで、必要に応じて司法書士や税理士をご紹介します。
よくある質問
Q. 相続した不動産は、いつまでに売らないといけませんか?
A. 売却自体に法律上の期限はありません。ただし、相続登記の義務や税金の特例には期限があります。特例を使いたい場合は、その売却期限に合わせて計画を立てます。
Q. 名義が亡くなった親のままでも査定は頼めますか?
A. はい、ご相談いただけます。査定の結果は、売るかどうかや分け方を話し合う材料にもなります。買主へ名義を移す前に相続登記は必要なので、その段取りもあわせてご案内します。
Q. 相続登記の期限に間に合わないとすぐに罰則がありますか?
A. 法務省の説明では、登記官が義務違反を把握すると、まず催告書を送り、それでも登記がない場合に裁判所へ通知する流れです。話し合いが進まないときは、相続人申告登記という方法もあります。
Q. 売却したお金を兄弟で分けると、贈与税はかかりますか?
A. 分け方や手続きの進め方によって税金の扱いが変わることがあるため、売る前に確認しておくと安心です。当社から税理士をご紹介できますので、売却の相談とあわせてお声がけください。
※本記事は2026年11月時点の情報です(国税庁の掲載内容は「令和8年4月1日現在法令等」)。最新情報は各公式サイトでご確認ください。
まとめ
相続した不動産の売却に期限はありませんが、相続登記の義務と税金の特例には期限があります。特に、令和9年3月31日の相続登記の区切りと、亡くなった年で変わる空き家の特例の期限は、早めに確認しておきたいところです。
「まだ売るか決めていない」という段階でも、亡くなった日と名義、建てた時期を確かめるだけで見通しが立ちやすくなります。各務原市で相続した不動産のことでお困りでしたら、まずは今の状況をお聞かせください。
あわせて読みたい:
各務原市で相続した実家を売るときの税金と空き家3,000万円控除の基本
各務原市の相続不動産で名義確認を後回しにしない理由
各務原市の実家を相続した兄弟姉妹で話し合うべきこと
この記事を書いた人
佐竹 伸仁(宅地建物取引士)
未来ホーム株式会社(イエステーション各務原店)
物件の良い点も気になる点も正直にお伝えし、分からないことは確認してからお答えすることを大切にしています。各務原市での売却・購入、相続した家や空き家のご相談をお受けしています。
佐竹 伸仁のプロフィールを見る
各務原市の不動産売却・無料査定のご相談はこちら
各務原市全域で、一戸建て・土地・マンション・空き家・相続した実家の売却をお手伝いしています。
査定は無料です。「売るかどうかはまだ決めていない」「今の家がいくらくらいか知りたい」という段階でもお気軽にご相談ください。相続登記や税金のご相談は、司法書士・税理士などの専門家をご紹介し、当社が窓口になってまとめます。
お電話でのご相談:0120-726-088(9:30~17:30/水曜・第2木曜定休)
